フリーと合計の世界最高点を持つ驚異の15歳カミラ・ワリエワ(ロシア)が、SPの世界記録も手中に収めた。

87・42点。19年GPファイナルでアリョーナ・コストルナヤが記録した歴代1位のスコア85・45点を1・97ポイント更新した。

自国開催、自身GPシリーズ2戦目でまた異次元の演技を見せた。冒頭のトリプルアクセル(3回転半)から3回転フリップ、基礎点が1・1倍になる最後の3回転ルッツ-3回転トーループの2連続ジャンプまで全て完璧に成功。表現力も抜群で、演技構成点の「演技」の項目で10点満点をつけるジャッジが出るなど全5項目で平均9点超。スピン、ステップも全て最高評価のレベル4をそろえ、技術点49・97点、演技構成点37・45点のハイスコアをたたき出した。

「今日は楽しく滑れました」と振り返った時や、同国の先輩で80・10点の2位エリザベータ・トゥクタミシェワが会見で話した軽妙トークには15歳らしい笑顔を見せたものの「連続ジャンプは反省。まだまだ成長しないと」と言う口からは向上心があふれ出た。

既に10月下旬の第2戦スケートカナダでフリー180・89点、合計265・08点の世界新を出しており、残るSPも制覇。昨季の世界ジュニア2冠女王で、今季シニア1年目ながら来年の北京オリンピック(五輪)金メダル最有力候補に躍り出た最強ロシア勢の新エースが、また新たな勲章をつかみ取った。【木下淳】