オーストラリアの査証(ビザ)が取り消され、国外退去となった男子テニスの世界王者、ノバク・ジョコビッチ(34=セルビア)が、4大大会の次戦で、5月22日開幕予定の全仏オープン(パリ)でも同じトラブルに直面する可能性が出てきた。

16日に、フランスで新たに導入されたワクチン接種証明書の法律は、「スポーツ選手ら全ての参加者に適用」となったため。

新型コロナウイルスの感染状況が変わる可能性もあるが、現段階での法律では、全仏出場にはワクチン接種が義務。ジョコビッチは出場できないことになる。3月には、4大大会に次ぐ準メジャー2大会が米国で開催される。米国は、現時点で入国にはワクチン接種が義務だ。

ジョコビッチが別荘を持つスペインも、入国にワクチン接種証明書が必要で、ジョコビッチの今後のツアー転戦に大きな支障となってくる可能性が高い。

ジョコビッチは5日に、現在行われている全豪オープン出場のためメルボルン到着。しかし、ワクチン接種の要件を満たしていないとして入国を拒否され、ビザが無効になった。ジョコビッチ側が訴え、裁判所は10日に入国を許可。しかし、政府は14日に再度、ビザを取り消した。16日に裁判所がジョコビッチ側の異議を却下し、ビザは無効となり、ジョコビッチは国外退去となった。

16日の夜にジョコビッチはオーストラリアを離れ、ドバイ経由で17日に、母国セルビアに帰国。空港では、地元ファンが国旗を持ち、歓迎したという。しかし、ジョコビッチは、ファンらに会うこともなく、到着出口ではないところから自宅に向かったとされている。