飛躍を支えた名作で再出発する。フィギュアスケートのアイスダンスで3季目を迎える村元哉中(かな、29)、高橋大輔(36)組(関大KFSC)が11日、今季のフリーダンス(FD)に「オペラ座の怪人」を選んだと発表した。

高橋はシングル時代の06-07年シーズンのフリーで演じており「15年前だそうです(笑い)。それもアイスダンサーとして競技会で滑るとはその時は思ってもみませんでした」と心境を明かした。

今から15年前。21歳になったばかりの男は、この曲で歴史を変えた。東京で行われた07年世界選手権。ショートプログラム(SP)3位で迎えたフリーでトップの高得点を記録し、ジュベール(フランス)に次ぐ日本男子初の銀メダルに男泣きした。当時中学2年生だった村元はアイスダンスでの再演実現を「夢みたいです」と喜び「ファントムとクリスティーヌの2人が持つオペラ座の世界観がどう仕上がっていくか、自分自身とても楽しみです!」と競技会を待ちわびた。

振り付けはズエワ、トカチェンコ両コーチ、ダンサー小尻健太氏が担当した。来年3月の世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)は自国開催。高橋は「完成したプログラムを皆さまに披露できるように頑張ります!」と誓い、高揚感を胸に歩み出す。【松本航】