柔道の世界選手権タシケント大会が7日、2日目を迎え、男子66キロ級の東京五輪金メダリスト、阿部一二三(25=パーク24)が3度目の優勝を飾った。大会2連覇中だった丸山城志郎(29=ミキハウス)との頂上決戦に技ありで勝利。丸山との対戦成績を4連勝として通算6勝4敗に。24年パリ五輪代表へリードを広げた。女子52キロ級では、妹で同じく東京五輪金の阿部詩(22=日体大)が2大会ぶり3度目の頂点に立った。

   ◇   ◇   ◇

阿部兄妹の兄、一二三が17、18年大会以来の優勝に3本指を掲げた。世界選手権2連覇中だった永遠のライバル丸山に返し技で技あり。勝利が決まると両手を広げ、背中の金ゼッケンを誇らしげに、先に優勝していた妹の詩と抱き合った。

一二三は20年12月、丸山との史上初のワンマッチで24分の死闘を制し、東京五輪で金。対丸山は今年4月の全日本選抜体重別に続いて直接対決4連勝とし「力の差を見せたい」と燃えていた通りの勝利を収めた。「五輪の金で変わったことは自信」を結果で示した。

全柔連の新たな規定により、一二三は12月のグランドスラム(GS)東京も優勝すれば来年5月の世界選手権(ドーハ)代表。24年パリ五輪での2連覇に向けて大きくリードを広げた。

先に決勝が行われた詩も優勝。18年以来、世界選手権では2度目となる兄妹同時制覇を再現した。昨秋の両肩手術を乗り越え「不安がなくなり、五輪より状態がいい」という強さを見せて、こちらも五輪連覇に向けて前進した。【木下淳】