8位の東京グレートベアーズが、18-19年シーズン以降最多となる8142人の動員数を記録したホームの東京で、6位のジェイテクトSTINGSをフルセットの熱戦の末に下した。リードを許しても食らいつき、前日に同所で喫した2-3の惜敗を雪辱。キャプテンのリベロ古賀太一郎(33)は「見たことがない景色が見られた。お客さんに『もう1回来たいな』と思ってもらえたなら、自分たちにとってもいい時間だった」と、喜びをかみしめた。

コロシアムにこだまする大歓声が、選手を後押しした。点を取られたら取り返す一進一退の攻防の中、オポジットのラファエル・アラウージョ(31)やアウトサイドヒッター戸嵜嵩大(26)らがミスを恐れず力強いサーブを効果的に打ち続けた。第1セット(S)から第4Sまで、いずれも25-23の接戦。2Sずつ取り合って迎えた最終第5S、白熱のラリーで上回り、2時間43分の戦いを制した。

真保綱一郎監督(50)は「悪い場面でもアグレッシブにいけた。この観衆はレギュラーラウンドでは想像もできない。ファンに雰囲気をつくってもらった。改めてファンの存在は大きいと思った。選手の成長につながる」と話した。

前身のFC東京から生まれ変わって臨む初シーズンは、この試合の前まで7勝22敗と苦しんだ。それでもチームの積極的な営業活動が実り、観客動員数はこれまで最多だった6820人を大幅に更新。コート以外でも、高い音響技術やライト演出をふんだんに使用したド派手なパフォーマンスで、観客を魅了した。

選手は活気づき、よく声も出た。得点を挙げるたびに出場メンバーはもちろん、リザーブも円陣を作って喜びを爆発させるなど一丸となった。古賀は「Vリーグの可能性を広げていこうというコンセプト。今後も体現していきたい」と、さらなるリーグの発展を誓っていた。【勝部晃多】