世界ランキング7位の男子日本代表「龍神NIPPON」が、白星発進した。アジア最大のライバルで同10位のイランと初戦で対戦し、3-0でストレートで退けた。地元愛知の満員の声援を背に受け、石川祐希主将(27)がチーム最多の20得点とけん引した。昨年5位を上回るベスト4を目指し、9日には同11位のセルビアと対戦する。

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赤一色のガイシプラザの中心で石川が大きく拳を握った。「絶対に負けられない相手。非常に重要」と位置づけた初戦。09年以降アジア選手権の金メダルを争ってきたライバルをストレートで撃破した。チーム最多の20得点をたたき出す、エースにふさわしい働き。高校卒業まで過ごした愛知で初戦を飾り、「地元でプレーできることはなかなかない。週末は今日以上のプレーができると思う」と胸を張った。

この日もキャプテンシー全開だった。5連続得点を挙げるなど試合を完全に支配した第1セット(S)は25-16で先取。第2Sは中盤にリードを許したものの、すぐにアタッカー陣を集めて「無理な状態でうちにいっている」と指摘。冷静な判断で流れを引き戻し、25-22と逆転した。勢いに乗った第3セットも25-19で奪った。

コート内だけではない。大会前には初めて選手のみのミーティングを敢行。「五輪切符獲得」「VNLファイナルラウンド進出」などの目標を積極的に言葉にし、シックスの目的意識を高めた。

「名古屋では4戦全勝が目標」。主将が掲げたその言葉に現実味が帯びる快勝。昨年の5位を上回るベスト4を目指す。「相手よりも、意識するのはそれ以上に自分たちの力を出せるかどうか」。龍神には頼もしい男がいる。【勝部晃多】