日本女子3人目のGPデビュー戦優勝を飾った中井亜美(17=TOKIOインカラミ)が、シリーズ上位6人対象のファイナル(12月、名古屋)進出へ決意を新たにした。18年NHK杯の紀平梨花、22年スケートカナダの渡辺倫果に続く快挙から一夜明け、思いを語った。SP78・00点に続き、フリー149・08点、合計227・08点といずれも今季世界最高。26年ミラノ・コルティナ五輪代表3枠入りだけでなく、本番でのメダル候補に躍り出た新星が華麗な成長曲線を描く。
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トリプルアクセルジャンパーの中井だが、1回転少ないダブルアクセル(2回転半)が大の苦手だった。幼い頃から得意なジャンプではなかったが、3回転半を習得してからはより苦手意識が顕著に。ジュニア2~3年目には「回転のかけ方がわからなくなった。自然と跳ぶのが怖くなった」と、人知れず悩んだ。練習で跳ばないのを見かねた中庭コーチから「やりなさい」と諭されることは、1度だけではなかった。
ただ「何でもできるようになりたかった」と、思いは人一倍強かった。人前で弱みを見せたくない性格で、「涙が出そうな時も走って逃げるようにしています(笑い)」という根性の持ち主。誰もが見ていないリンクの隅で、こっそりと2回転半を跳んで練習し、恐怖心を克服した。
現在も、リンクから自宅までの帰途で車から降りてランニングするなど“こそ練”を継続中。苦手だった野菜全般も食べられるようになった。「スケートのためなら頑張れるんです」。鮮烈なGPデビューは、並外れた努力の証だった。【勝部晃多】


