ノルディックスキー複合男子で6大会連続五輪(オリンピック)出場し、今季限りでの現役引退を決めた渡部暁斗(37=北野建設)が17日、現役最後の試合となったワールドカップ(W杯)オスロ大会を終えて、東京・羽田空港に帰国した。
帰国後には桜の切り枝が添えられた花束を受け取った。「もうこれでもかっていうぐらいいろんなサプライズプレゼントももらって、一瞬一瞬がすごく素晴らしい瞬間。たくさんの愛と敬意をすごく感じた最後の1日になった。言葉に言い表せられないぐらいうれしい」と喜びをかみしめていた。
ラストダンスとなった個人戦は38位。最後のジャンプは各国の選手やコーチから盛大に祝われた。「これで楽しんできて」と特別なスーツを着用して臨んでいた。
妻子4人にも最後の勇姿を見せた。「小さい子ども3人も連れて上まで来てくれて本当にうれしくてありがたい瞬間だった」。今後は「まだ雪が残っているうちに一緒にスキーをしたい」とも話した。
昨秋に引退を発表。そこからの半年間は「中途半端に好きな競技と向き合っていた期間もあったので、最後の半年は一番真剣だった気持ちをもって過ごせた」と振り返る。
競技の1つの支えとなったのは、「好奇心」。長年、日本複合をけん引してきたベテランは「好奇心を持ち続けたことでこれだけ長くやってしまった。気づいたらこんなにも時間が立っていた」と笑う。
最後には自身を「正真正銘のバカ野郎」と表現し、締めくくった。
「本当にかけがえのない時間だった。やりすぎたって自分でも思いますし、たくさんの人に支えられたり、迷惑をかけたこともあった。いろんなことを含めて良くも悪くも本当にバカ正直にここまで来た」。
渡部の目には最後まで笑顔はなかった。


