大阪・四條畷学園高2年の大橋信(17=枚方SS)が3冠を達成した。男子200メートル平泳ぎで日本歴代2位の2分6秒59で優勝。50メートルと日本記録を樹立した100メートルに続き、平泳ぎで3冠は五輪2連覇を達成した北島康介を超える最年少記録となった。女子50メートルバタフライは池江璃花子が優勝し、8月のパンパシフィック選手権(米国)と9月の愛知・名古屋アジア大会の代表入りを確実にした。男子200メートル個人メドレーで豊川高2年の小島夢貴が2位に入った。
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3冠を達成した高校2年の顔は、少し曇っていた。大橋は3日連続での日本一。北島を上回る17歳での偉業を果たした。プレゼンターを務めたレジェンドから表彰台で「おめでとう。頑張ってね」と激励を受けた。日本記録に0秒19と迫る好レースを見せたが「悔しい」と無念さを浮かべた。
最初から突っ込んだ。50メートルで後続と体1つ分ほど前に出た。世界記録も更新するハイペース。100メートルを折り返し、日本記録を1秒03上回った。ターンするたび会場が沸いた。「前半から行くレースを小さい頃からやっていた。怖くてもやった」と必死に泳いだ。
残り50メートルで日本記録が見えた。会場の解説で「日本記録がなんとかかんとか、みたいな声が聞こえた。いけるかなと思った」と力を込めたが失速。3日連続のレースで「体のしんどさが勝っちゃった」。自身が持つ世界ジュニア記録を更新しても、後悔に包まれた。
19日の100メートルで日本新記録を樹立。20日の50メートルでも頂点に立った。所属では200メートルを念頭に置いた練習に取り組む。今季は高地トレーニングにも参加。「苦しいから嫌だ」と一度は拒否したが、枚方SSの太田伸コーチに連れられて参加。心肺機能を強化し、リカバリー能力も高めた。
身長169センチ。小柄な体を大胆に使う。同コーチは「体を倒すタイミングに、狭い強いキックが合う。早いテンポでも足がちゃんと合う」と長所を明かす。その動きに、五輪金メダリストの姿が重なる。「北島選手も高1ぐらいまでハイテンポで泳いでいたイメージがある。最終的には効率のいい、ストロークの大きい泳ぎに変えていく方がいいと思う」と方針を示した。
大橋は「アジア大会代表は濃厚になった。世界の選手と戦って経験を得たい」と意気込む。その先に28年ロサンゼルス五輪を見据える。「200メートルで必ず金は取りたい。それに向けて試合も練習も無駄がないように頑張る」と2年後に目を向けた。3冠はまだ助走に過ぎない。【飯岡大暉】
◆大橋信(おおはし・しん)2009年(平21)3月5日生まれ、大阪府出身。四條畷学園高。3歳から水泳を始め、小学3年時から選手コースに進み、現在は枚方SSで鍛錬を積む。昨年7月の近畿高校選手権では200メートル平泳ぎで2分6秒91の高校新記録で優勝。8月の世界ジュニア選手権は混合と男子の400メートルメドレーリレー金、個人3個のメダルを獲得した。11月のジャパンオープンでも3冠。169センチ、66キロ。


