<バレーボール・全日本高校選手権:柏井2-0富士見>◇女子2回戦◇6日◇東京体育館

 2年連続出場の富士見が柏井(千葉)に14-25、17-25でストレート負けした。相手の高さとパワーに屈したが、センターの内田美咲稀(3年)のブロード攻撃を軸に、エースの丹嶋明音(3年)もレフトから果敢に攻め込んだ。3人の3年生は2年連続で出場も、春高での勝利を後輩たちに託した。

 富士見は、もてる力のすべてを出し切った。序盤で点差をつけられるも、内田のブロード攻撃は全国の舞台でも通用した。ブロードで9点を稼いだ内田は「全国でも通用したのでちょっとびっくりした」と話し、3年間の成果に納得しているようでもあった。

 第2セットは開き直ったように丹嶋が打ち込んだ。丹嶋は「高さのある相手にどう対応するかを学んできた。通用したしやってきてよかった」と涙ながらも笑顔で振り返った。練習中に悔し涙を流したことも1度や2度ではない。高校生活最後の試合を終えると、すっきりしたような表情だった。

 全国での勝利を目指してきた甲斐健悟監督(31)は「想像以上でした。完敗です」。強烈なスパイクは映像で見ていたよりも強かったという。「県を勝ち抜いて満足するのではなく、その先も見据えないと」と、自らに言い聞かせるように語った。

 サイズで劣るなか168センチの内田が得点を重ねたことはヒントになる。静岡産大藤枝に進学する内田は「小さくてもできることを証明できたと思う」と胸を張った。日体大で日本一を目指す丹嶋は「あきらめずにこの舞台に戻ってきてほしい」と後輩にエールを送った。【加納慎也】