<バレーボール・全日本高校選手権:柏井2-0米沢中央>◇女子準々決勝◇7日◇東京体育館

 米沢中央(山形)が柏井(千葉)に敗れ、初の8強入りには届かなかった。全日本ユース代表の1年生エース高橋茉莉奈が、全日本ジュニア代表の中元南(2年)に真っ向勝負を挑むも及ばず涙。さらなる成長と雪辱を誓った。東北勢は男女全12チームが姿を消した。

 米沢中央のスーパー1年生・高橋が挑んだ初の「春高」は、悔し涙で幕を閉じた。柏井のエース中元と打ち合いを演じたが、高いブロックと確実なレシーブに阻まれて得点を重ねられない。最後は全日本ジュニア代表の強烈なスパイクが、伸ばした両手の上を越えていった。「中元さんに負けたくなかったけど、ブロックに当ててしまって焦りもあった」と唇をかんだ。

 敗れはしたが、良きライバルから貴重な財産を受け取った。柏井とは月1、2度は練習試合を行い、今大会前も6日間の合同合宿で高め合った間柄。石田和也監督(42)は「(高橋に)世界を目指す選手になってもらいたいから、あえて(中元と)マッチアップさせた」。手の内を知る相手の絶対的エースに、あえて真っ向勝負を挑ませたのだ。将来を期待される16歳は「攻撃面で不足している部分が多い。大事なところで決める勝負強さを身につけたい」と成長を誓った。

 高橋を中心とした新チームの伸びしろは大きい。今大会の先発メンバーは半数が1、2年生。さらに今春には、高橋の1歳下の妹で174センチの左利きアタッカー穂乃香が入学予定だ。2020年東京五輪出場を目指す逸材は「今回は先輩たちにいい経験をさせてもらった。来年は自分がここに連れてきたい」と力強く言った。【鹿野雄太】