8月24日は「ラグビーの日」。1823年の同日にラグビーが誕生したとされ、今年で“生誕”200年を迎えた。節目の年のW杯フランス大会開幕を9月8日に控え、世界的な関心が高まっているのが日本のリーグワン。12月に開幕する新シーズンでは、今回のW杯に各国代表として出場予定の選手20人以上がプレーする。海外から見た日本ラグビー界の現在地とは? 世界と日本をつないできたリーグワン海外メディアアドバイザーのマット・マキルレイス氏(51)が語った。【取材・構成=松本航】

  ◇  ◇  ◇   

「サッカーに例えると“メッシ”じゃないか」。近年、世界的スター選手が来日する度に、衝撃をそう表現する声が聞かれた。リーグワンは22年の1季目から海外でも中継。マキルレイス氏は「ビッグネームの存在により、海外の選手、メディア、ファンの注目を集めている」と評する。

世界年間最優秀選手に2度輝いたニュージーランド(NZ)代表SOバレットは、21年にサントリー(現東京SG)に在籍。フランスW杯後は、トヨタ加入で再び日本にやってくる。なぜ、日本なのか-。金銭面や治安の良さなどに加え、同氏は「家族にまで配慮してくれる」と魅力を説明する。たとえば埼玉は、今年1月に南アフリカ代表CTBデアレンデが夫人の出産のため一時帰国することを認めた。「選手の福利に重点を置く。これはフランスのリーグや(南半球の)スーパーラグビーで必ずしも同じではない。素晴らしいグラウンドなどの施設面、そして指導者も国際的なコーチがいる」と分析した。

そんな世界的スターたちが競演するリーグワン開幕前に、来月からいよいよW杯が始まる。マキルレイス氏は、最注目選手にW杯後にBL東京に加わるNZ代表SOモウンガを挙げた。

「彼はW杯で大スターになる可能性がある。優れたキッカーで戦術にたける。トリッキーなパスを出し、スピードある仲間を防御の隙間に入れる。W杯のような接戦で、非常に重要だ」

日本代表は、前回19年W杯で8強入りし世界を驚かせた。「スピードがあり、どんな相手とも戦えることを世界は見てきた」と今大会の躍進にも期待する。ラグビー誕生から200年。代表チーム、そしてリーグワンと日本ラグビーへの注目は高まっている。

 

◆マット・マキルレイス 1972年2月7日、NZ・ダニーディン生まれ。97~01年に週刊誌ニュージーランド・ラグビーニュースの編集に携わり、01~04年にNZ代表、08~13年にオーストラリア代表のメディアマネジャーを務めた。埼玉を率いるロビー・ディーンズ監督の本などラグビー関連書籍を5冊執筆。現在はリーグワンで海外メディアへの情報発信、取材機会の促進などを担当。

 

◆ラグビーの日 1823年8月24日にラグビーが誕生したとされることで制定。生誕地はイングランド。パブリックスクール「ラグビー校」校庭でフットボールの試合中、ウィリアム・ウェブ・エリス少年がルールを破り、ボールを持って走り始めたことが起源とされる(諸説あり)。W杯優勝トロフィーはこの名から「ウェブ・エリス・カップ」と名付けられている。

 

◆日本とラグビー 1899年(明32)、慶大の英国人教員クラークが学生に指導して日本初のチームが誕生。1901年に横浜の外国人クラブ「YC&AC」と初めて対戦。早大との定期戦「早慶戦」は1922年に始まり、この秋で100回目。26年に日本協会が発足。30年に日本代表が初めて編成された。全国社会人大会は02年度に幕を下ろし、03年からトップリーグ、22年からリーグワン。