思い出の地でレコード達成や。3試合連続ヒット中の阪神ドラフト1位高山俊外野手(22)が神宮に“凱旋(がいせん)”した。28日、東京6大学リーグの最多安打記録を塗り替えた同球場でのナイター練習に参加。今日29日ヤクルト戦で、開幕から4試合連続安打を記録すれば、虎新人初の快挙となる。ヤクルト館山は無関心を装ったが、その相手の脳裏にも刻まれる一打を打ってくれるはず。館山に苦しんだ虎の歴史も変えてくれ!
見慣れたはずの球場が姿を変えていた。日が沈みあたりが暗闇に包まれる。昼と夜ではその表情がまるで変わる。高山にとってはプロ入り後初の屋外ナイター。昨年6月には大学選抜としてNPB選抜と対戦。1度だけ神宮のナイターを経験しているが、9カ月前とは風の冷たさも違う。
「リーグ戦でも(長い試合で)ここまで暗いのはあったかどうか。ナイターというのが新鮮です。慣れ親しんだという感覚はないですね」
普段通り落ち着き払った高山は、この日のフリー打撃でも快音を連発。無人の右翼席に打球を突き刺した。25日に阪神新人では初となる開幕戦初打席初安打。第2戦の26日は虎ルーキー最速V打。前日27日中日戦では阪神の新人記録に並ぶ開幕から3試合連続安打をマークした。次々と虎の歴史を塗り替えてきた男は「たまたまなんで」と意に介さないが、今日打てば4試合連続ヒット。虎の新人ではこれまた初の快挙だ。
少なからず因縁がある。昨秋ドラフトでは、ヤクルト真中監督が外れくじにもかかわらず高山との交渉権を得たと勘違いしてガッツポーズ。結局、当たりを引き当てたのは阪神金本監督だった。ツバメに逃した魚は大きいとあらためて思わせるにはもってこいの相手でもある。今日29日ヤクルト先発の館山に、阪神は昨年2戦2敗。最後に土をつけたのは11年10月5日までさかのぼる。高山なら、虎相手に通算44戦17勝6敗の右腕に、歴史的黒星をつけてくれるに違いない。
金本監督は新人離れした背番号9に「もっと泥臭く」と冗談っぽく指令を出した。伝え聞いた高山は若武者らしく「意識して泥臭くやっていきます!」と声を張り上げた。レギュラーシーズン初となる思い出の神宮。これまでのように簡単に「H」ランプをともすのか。それともユニホームを土まみれにしてヒットを稼ぐのか。高山の打席は一瞬たりとも見逃せない。【桝井聡】



