<楽天3-7阪神>◇2日◇Kスタ宮城

 トリ&ヒラの新1、2番が最後まで“コンビ芸”でかき回した。1点を追う9回だ。マウンド上には楽天の守護神川岸。先頭の1番鳥谷敬内野手(28)がフルカウントから四球を選ぶ。代走大和が二盗を決め、2番平野恵一内野手(31)の役割は「送り」。三塁線に転がした絶妙なバントは投前内野安打となり、無死一、三塁。この回5得点の大逆転劇をおぜん立てした。

 初回こそ2者連続で凡退したが、以降の4打席は2人そろって全出塁だ。右手人さし指を負傷している鳥谷は7回にスタメン復帰後初安打を放つなど、5打席で1安打3四球。すべて追い込まれてからの4出塁と粘った。「追い込まれるとか関係なく、とにかく塁に出ないといけないんで」。

 試合前練習中は右手人さし指にテーピングを施す状態。それでも同点の6回1死一塁、8番嶋の二遊間へのライナーに飛びつき、ショートバウンドでキャッチ。体全体を使って二塁へのグラブトスし、併殺を完成させた。100%の送球はできない中、三遊間の深いゴロも何度もさばきながら「アウトにしなきゃいけないところもあった」と反省するところが鳥谷らしい。

 2番平野は5打数4安打。3回には先制の中前適時打で4月29日ヤクルト戦(神宮)以来、約1カ月ぶりの打点(3打点目)も記録した。「塁に出るのが僕の仕事。全部出塁する気持ちです」。核弾頭コンビの8出塁は間違いなくMVP級の働きだ。【佐井陽介】

 [2010年6月3日11時35分

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