【ベローナ(イタリア)20日=波平千種通信員】元イタリア代表で、ACミランでキャプテンを務めたMFマッシモ・アンブロジーニ氏(37)が開幕から7戦6発と絶好調の日本代表FW本田圭佑(28)のプレーぶりを認めた。対戦経験もあり、名門の後輩に当たる本田を「知性にあふれ、どのような戦術にも対応できる」と高く評価した。

 日本代表でキャプテンマークを巻く本田が、歴史と伝統あるミランでその腕章を巻いた大物にも認められた。アンブロジーニ氏はミランが過去12シーズン勝てていなかった鬼門ベンテゴーディ・スタジアムで解説。古巣が、後輩に当たる本田のセリエA初となる1試合2得点で、13シーズンぶりに同地で勝つ瞬間に居合わせた。

 日刊スポーツの取材に対し、同氏は本田を高く評価した。ミランに通算17年も在籍。欧州CLを2度制し、スクデット(セリエA優勝)も4度獲得した名手は「本田は知性にあふれ、どのような戦術にも対応できる。今のミランの戦い方が、本田に非常にうまくマッチしている」と言った。

 本田に対する評価はイタリア国内外で急騰している。引退したばかりの同氏の言葉にはより一層の説得力がある。昨季はフィオレンティナに在籍。3月のミラン戦で対戦経験がある。ともに先発で出て2-0でミランが快勝。当時と比較し「フィジカル面が非常に良くなっている」と分析した。

 同氏とも長くプレーしたインザギ監督も、試合後の会見で本田を絶賛。「今、彼の良さについて話すのは簡単過ぎる。技術だけでなくフィジカル面も強い。相手ゴール前でミスすることがほとんどない。献身的な、利他主義の選手だ」。

 7戦6発で、元アルゼンチン代表FWテベス(ユベントス)、スペイン人快足アタッカーのFWカリェホン(ナポリ)と並び得点ランク首位に再び並んだ。シーズン32点超という、信じられない量産ぶりだ。

 ◆マッシモ・アンブロジーニ

 1977年5月29日、イタリア生まれ。94年にセリエB(2部)だったチェゼーナでプロデビュー。95年夏にACミラン移籍。97-98年はビチェンツァに期限付き移籍したが、13年夏まで通算17年間ミランでプレー。09年夏に引退したマルディーニに代わるキャプテンとなった。昨季限りで現役引退。イタリア代表では国際Aマッチ35試合0得点。守備的MF。