<陸上:ゴールデンスパイク>◇25日◇チェコ・オストラバ

 男子100メートルは世界記録保持者のウサイン・ボルト(ジャマイカ)が10秒04の平凡な記録で優勝した。

 今季2戦目となった100メートルで勝ったボルトは、10秒も切れないタイムに表情がさえなかった。

 向かい風0・8メートルと肌寒さを感じさせるコンディションで、スタートから出遅れた。反応時間は出場選手で最も遅い0秒180。序盤からスピードに乗れず、36歳の元世界王者コリンズ(セントクリストファー・ネビス)らに先行された。

 徐々にスピードを上げ、後半は何とか首位に立った。顔をゆがめてゴールした苦しいレースに「好タイムを狙っていたが、駄目だった。何が起こったのか説明できない」と首をかしげた。

 昨年も100メートルでは前半に出遅れるレースが続出。韓国で開催された世界選手権は決勝でまさかのフライングで失格になった。「技術面で改善に力を入れてきた」というスタートの課題が解決されていない状況に「いつものような爆発力がなかった。コーチと相談して(レースの)テープを分析したい」と神妙に話す。ロンドン五輪で2大会連続の短距離3冠を目指す25歳の大型スプリンターが、早くも不安を残すことになった。