<陸上:全日本実業団対抗>◇最終日◇23日◇福岡・博多の森陸上競技場

 女子100メートル障害は伊藤愛里(23=住友電工)が13秒51で優勝。美人ハードラーとしても注目されているロンドン五輪代表の木村文子(24=エディオン)は、13秒66で2位に終わった。

 木村は負けることも覚悟していた。ロンドン五輪で予選落ちし、今のままでは世界で通用しないと痛感。新たな技術に取り組み始めたからだ。「前半からどうやってトップスピードに乗せるか、それにどこまで対応できるかを試すことができました」

 木村は高校時代には走り幅跳びで全国優勝した選手。この日は100メートルにも出場した。「色んなものにチャレンジして、総合的な力をつけたい」と、技術に加えて身体能力自体をアップさせようと取り組んでいる。

 今大会で敗れたことも、「私だけでなく、日本の100メートル障害全体のレベルが上がらないと世界で戦っていけない」と、歓迎している部分もある。

 優勝した伊藤は1学年後輩だが「木村さんからロンドンの話を聞いて刺激を受けた」と目を輝かせた。

 日本記録は2000年にマークされた13秒00。木村が12秒台に最も近い位置にいるが、その候補が増えつつある。