ソーシャルゲーム(交流ゲーム)大手ディー・エヌ・エー(DeNA)は10日、東京都内で開いた記者会見で、陸上部を4月1日付で新設し、経営合理化を理由に3月末で廃部となるエスビー食品陸上部から選手、スタッフ12人全員を受け入れる、と発表した。

 2011年のプロ野球横浜ベイスターズ買収に続き、スポーツ界での活動の幅を広げる。

 男子マラソンの元エースでエスビー食品スポーツ推進局長の瀬古利彦氏(56)が総監督に就任し、08年北京五輪長距離代表の竹沢健介選手(26)や上野裕一郎選手(27)らとともに、多くの五輪選手を輩出した名門の復活を目指す。駅伝にも積極的に取り組み、3年後の全日本実業団駅伝優勝も目標に掲げた。

 守安功社長(39)は「DeNAから五輪選手を輩出したい。第2、第3の瀬古利彦が出てきてほしい」と期待した。瀬古氏も「五輪でメダルを取る選手を出したい」と力強く語った。

 近年のランニング人気の定着に伴い、ジョギング教室開催なども企画予定という。

 1954年に創部のエスビー食品陸上部は80年代、中村清監督(故人)の下で瀬古氏を中心に黄金期を築いた。