<陸上:ダイヤモンドリーグ第11戦・ロンドン・グランプリ>◇第1日◇26日◇ロンドン五輪スタジアム
男子100メートルで優勝したウサイン・ボルト(26=ジャマイカ)のタイムは9秒85で、今季世界2位の記録だった。今季世界最高の9秒75はタイソン・ゲイ(30=米国)が6月に出したもの。5月に行われた検査でドーピングが発覚したので、ゲイの処分が確定すれば9秒75は抹消される。
8月10日開幕のモスクワ世界陸上には、ボルトが参加選手中一番のシーズンベストを持って臨むことになる。
五輪、世界陸上の前に出した記録として、9秒85は速いのか遅いのか。過去のシーズンと比較したのが下の表である。2013年:9秒85
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モスクワ世界陸上=
?2012年:9秒76
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ロンドン五輪=金メダル9秒63(五輪記録)2011年:9秒88
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テグ世界陸上=フライング失格2009年:9秒79
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ベルリン世界陸上=金メダル9秒58(世界記録)2008年:9秒72
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北京五輪=金メダル9秒69(当時世界記録)
今年の9秒85は、テグ世界陸上でフライング失格した2年前に次いで悪いタイムになる。
好材料としては、レースパターンに“ボルトらしさ”が戻ってきたことが挙げられる。スタートで出遅れたが後半に圧倒的な強さを見せて逆転した。6月のローマ大会では珍しく好スタートを切ったが、後半でジャスティン・ガトリン(31=米国)に競り負けた。ダイヤモンドリーグではスロースタートでも、五輪や世界陸上でスイッチが入ると見違えるダッシュをするのがボルトの特徴である。
「今日のスタートにはぞっとさせられたけど、いつものボルトだったね。もう少しレースが必要だけど、世界陸上のラウンド(予選と準決勝)が俺を助けてくれるだろう」。
ボルトは一発決勝のダイヤモンドリーグよりも、ラウンドを重ねる五輪と世界陸上の方が記録が良くなる。モスクワでは“ラウンドの進め方”にも注目したい。