彩の国

 実業団駅伝が11月3日、埼玉県熊谷スポーツ文化公園陸上競技場をフィニッシュ地点に開催される。女子はさいたま新都心駅をスタートする6区間42.195キロで行われ、11位までと2時間23分以内のチームが12月の全日本実業団対抗女子駅伝に駒を進められる。

 男子は埼玉県庁をスタートする7区間77.5キロで行われ、全日本大会であるニューイヤー駅伝の東日本予選会を兼ねる。上位13チームが元旦のニューイヤー駅伝に出場できる。

 男子は前回優勝のコニカミノルタが元旦のニューイヤー駅伝も制した。対抗するのは前回2位、2012年ニューイヤー駅伝優勝の日清食品グループ。チーム構成の似た2強が激突する。

 エースはコニカミノルタが宇賀地強(26)、日清食品グループが佐藤悠基(26)で、ともに8月のモスクワ世界陸上にトラックで出場したスピードランナー同士。日本選手権1万メートルは佐藤が3連覇したが、世界陸上では宇賀地が15位と健闘。ニューイヤー駅伝の実績は区間賞3回の佐藤が勝るが、東日本大会では宇賀地が昨年まで3年連続2区区間賞と優位に立つ。

 中堅選手はコニカミノルタが、ニューイヤー駅伝5区で伊藤正樹(24)、6区で新田良太郎(23)と連続区間賞を取り選手層の厚さを見せた。だが、今シーズン後半は2人とも調子を落としている。

 一方の日清食品グループは北村聡(27)と若松儀裕(26)が故障から復調して、ポイントとなる区間を任せられそう。中堅選手は日清食品グループ有利と思われる。

 新人はコニカミノルタでは撹上宏光(23)が5000メートルで、菊地賢人(23)が1万メートルで入社後に自己記録を更新。優位に立っていたが、日清食品グループは村澤明伸(22)が9月末に社会人初レースに出場した。記録的にはまだまだだが、アキレス腱痛で大学最後の箱根駅伝を欠場した大物ルーキーが完全復調すればエース級の働きも期待できる。

 2強に割って入るとすれば富士通とHondaだろう。

 富士通は柏原竜二(24)がシーズン前半は低迷したが、9月の全日本実業団1万メートルで日本人4位と復調の兆しを見せた。星創太(25)は日本選手権5000メートルに優勝し、大きな自信を得ている。

 Hondaは石川末廣(34)、藤原正和(32)ら30歳台のベテラン勢が充実している。藤原は10年ぶりに世界陸上マラソンの代表入りし、14位で日本選手2番目の成績を残した。

 2年前のように日清食品グループが佐藤を1区に起用すれば別だが、そうでなければ2区(15・3キロ)の宇賀地でコニカミノルタがトップに立つ可能性が高い。3区以降は何区で、誰がトップに立つかは予想が難しいが、区間2位を30秒以上引き離すような快走をする選手が現れたチームが逃げ切ることになる。