<陸上:東日本実業団対抗女子駅伝>◇3日◇埼玉・さいたま市~熊谷市◇6区間42・195キロ

 絶対的なエースの新谷仁美(25)を欠きながら、ユニバーサルエンターテインメントが2時間16分13秒で2連覇を達成した。3区の青山瑠衣(24)が区間賞でトップに立つと、4区のフェリスタ・ワンジュグ(23)、5区の那須川瑞穂(33)と3連続区間賞。2位の第一生命に2分17秒差で圧勝した。

 3位にトラックのスピードランナーを揃えた積水化学、4位に3区まで2位と好走したスターツが続き、11位の資生堂までが12月の全日本実業団対抗女子駅伝へ駒を進める。

 モスクワ世界陸上1万メートル5位入賞の新谷が足底筋膜炎のため欠場。その穴を埋めたのは、チーム全員が猛練習で培った自信だった。米国ボルダーで7月から2回に分け、トータル4カ月弱の合宿を敢行した。駅伝用としては異例の長さである。来月の全日本大会でも2連勝をするための合宿だった。

 キャプテンの那須川は選手全員の意識が高かったという。「特にミーティングをしなくても、個々のメンバーが2連覇への思いを強く持って練習に取り組んでいました。守りに入ったら負けてしまいます。攻めて、攻めて、攻め勝ちたかった」

 練習がハードだったのは間違いない。新谷に代わって最長区間の3区(12・2キロ)に抜擢された青山は、「Qちゃん(高橋尚子)と同じくらいの練習をした」と、指導を委託されている佐倉アスリート倶楽部の小出義雄代表(74)は言う。当の青山も「ボルダーできつい思いをしてきたので、最後まで自信を持って走れました」と納得顔で話した。

 那須川がチームの盛り上がりを次のように説明した。「スーパーエース(新谷)は不在でも、全員がエース級の志を持って走ったことが東日本の2連覇につながりました。(全日本で)昨年優勝して味わった喜びは、そう簡単には他のチームに渡さないぞ、という気持ちで1つにまとまっています」

 新谷が全日本に間に合うかどうかは見通しが立っていないが、今大会のユニバーサルエンターテインメントの強さを見ると、全日本2連覇の確率もかなり高い。