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早大・渡辺監督、打倒柏原へエースは不要

箱根駅伝について熱く語る早大・渡辺監督(撮影・宮川勝也)
箱根駅伝について熱く語る早大・渡辺監督(撮影・宮川勝也)

 「本物の駅伝」で3冠を達成する! 早大の渡辺康幸監督(37)が宣言した。来年1月2、3日に行われる「第87回東京箱根間往復大学駅伝競走」(箱根駅伝)へ向け、日刊スポーツでは14日から来年元日まで連載をスタートする。初回のテーマは「主役」。第1回は、出雲(10月)全日本(11月)を制し、箱根で史上3校目のシーズン3冠に挑む早大・渡辺監督の指導哲学に迫る。「20世紀最後のスター」と呼ばれた箱根の申し子が監督に就任して7年。早大伝統のエースを中心に据えた駅伝から脱却し、総合力で勝つ「真の駅伝」で、18年ぶりの優勝を目指す。

 04年4月に母校の監督に就任してから、渡辺監督の体重は最高83キロまで増えた。原因は復活を託された重圧と、周囲の過大なる期待によるストレス。そのかっぷくのいい176センチの体が、今年はグッと絞り込まれた。現役時代の60キロには及ばないが、引き締まった精悍(せいかん)な顔に、今回にかける意気込みが凝縮されていた。

 渡辺 自分自身、やっと7年目にして何か感じるものがあったんです。監督が言いたいこと言って、選手に厳しいことをやらせるんだから、自分も何か自分に課したことをやってみようと。毎日、走ったり、奥さんに食事制限してもらったりして、10キロ以上やせました。選手の見る目が変わって、信頼関係が高まりましたね。

 「エースはいらない」。7年の歳月をかけて、ようやくその理想のチームにたどりついた。突出した1人の選手に頼るのではなく、全員が高いレベルで力を出し合いタスキをつなぐ。「それが駅伝の本当の姿」だという。今年のチームはそれを実践してきた。10月の出雲は6区間中4区間で区間賞を獲得した。11月の全日本では、1区の矢沢がトップと46秒差の9位と出遅れたが、残りの7人で、その遅れを取り戻した。

 渡辺 エースがいるのが早大なのかもしれません。でも、今年のウチの戦い方が、私は本来の駅伝だと思うんです。誰もが区間3番以内に入る力がある。1人のスーパーエースで優勝するのではなく、区間賞が1つもないかもしれないけど、気が付いたら優勝している。そういうソツのない駅伝というのが理想なんです。

 現役時代は「20世紀最後の箱根のスター」と言われた、一時代を築いた大エースだった。2年の94年に1区で区間新記録を樹立。3、4年でエース区間の2区で区間新、区間賞を獲得した。しかし、4年間、毎年優勝最有力候補に挙げられながら、総合優勝は1年時の1回だけに終わった。その苦い思い出が、「エース不要」のチームづくりの原点になっている。

 渡辺 4年間、自分はこんなに頑張ったのに、なぜ優勝できなかったんだろうというのが、素直な気持ちです。1人がどんなにすごい走りをしても優勝できないんですよ。当時のチームは(2学年上に)3羽がらす(櫛部、武井、花田)がいて、実業団と互角以上に戦えるチームでした。それでも1回しか勝てなかったんです。

 もともと早大は伝統的に「大エース」がチームを支えてきた。古くは4年連続で2区を走った瀬古利彦がいた。渡辺監督も「全員でつなぐ駅伝」を理想としながらも、監督就任当初はエース育成に力を注いだ。05年に入学した竹沢健介を、2年から3年連続区間賞を獲得するエースに育てた。しかし、結果は総合2位が最高で、1度も総合優勝できなかった。

 渡辺 強い選手が出ると、その選手にドップリとつかってしまうんです。結局、竹沢に頼り切って、層の厚いチームをつくりきれなかった。彼の調子の善しあしで、結果が左右するというチームでしかなかったんですね。だから2番止まりだったんです。彼のチームだったんですね。

 渡辺監督が卒業した96年から竹沢が入学する05年まで、早大は4度のシード落ちを経験した。そして、竹沢が卒業して迎えた今年1月は7位に沈んだ。総合優勝は渡辺監督が1年だった93年以来、17年も遠ざかっている。

 渡辺 エースが抜けると、ものすごく戦力ダウンしてしまい、チームが弱くなってしまう。何十年と勝てないんですよ。今の時代はチームの総合力を築かないと、毎年、優勝争いはできない。今年は、スカウトでいい選手が入ってきて、ほかの大学に行けばエース級になる選手はたくさんいます。でもエースはつくらない。特別扱いもしていません。マスコミの取材も偏らないようにしています。

 箱根駅伝へ向けた強化方針でも長い早大の伝統を打ち破った。

 渡辺 自分たちの時代は、平地で貯金して、下のレベルの選手が山を担当してました。信じられないですよね。今はエース格に山登りをやらせています。山下りも。早稲田の伝統は、いいものがたくさんあるのですが、根本から変えて、自分が築かなくちゃいけない新たな伝統もあるんです。それが新生早稲田の力になるんです。

 今回エントリーした16人中6人が1万メートルを28分台で走る力を持つ。1万メートルの16人の平均タイムは28分56秒9。出場20チームでトップの層の厚さになった。28分台は3連覇を狙う東洋大と2校だけ。東洋大は、山登りの5区で2年連続区間新をマークした大エース、柏原竜二(3年)を擁する。渡辺監督がエースに頼らないのは、その最大のライバルへの反骨心でもある。

 渡辺 今回も柏原君の走りで(東洋大が)優勝すると、やっぱり箱根駅伝は山なのか、エースなのかとなってしまいます。だからウチは今回、山で逆転されても復路で十分逆転できるオーダーを組みます。山の区間順位がそのまま総合順位になるのは、本来の駅伝とは違っていると思うんです。日本人がなぜ駅伝が好きなのかと言えば、みんなが力を合わせるところに引かれるからなんです。だから今回はチーム力で3冠を達成したい。それが「真の駅伝だ」という証明になる。そのためにも絶対に優勝しなくちゃいけないんですよ。【取材・構成 吉松忠弘】

 [2010年12月14日9時1分 紙面から]


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