陸上男子ハンマー投げの室伏広治(36=ミズノ)が29日、ルール改正に乗り出すことを明かした。都内でスポンサー契約を結ぶ米輸送大手フェデックス社のイベントに参加。今季は世界選手権(8月27日開幕、韓国・大邱)での金メダルに加え、自己記録(84メートル86=世界歴代5位)の更新が期待されるところだが、「記録」を問われた途端、それまでの笑顔が消えた。

 室伏

 大きい記録が投げられる状況ではない。新たなルールづくりが必要。

 室伏が特に訴えるのは、囲いのことだ。07年以降は安全面に偏重し、従来のセーフティーケージに加え、右利き選手なら右前方にネットが配置。野球に例えるなら「流し打ちタイプ」という室伏にとっては、これが頭痛のタネとなる。右前方のネットに当たらないよう回転をコントロールするため、記録に影響する。

 そこで提案するのは、囲いの一部を微調整できる「カーテン式」に変更することだ。国際陸連アスリート委員会の投てき代表委員という立場から「ちゃんと意見は言う。韓国(世界選手権)ではカーテン式が使えるかも」。記録への飽くなき挑戦心が、室伏を突き動かしている。【佐藤隆志】