<東京マラソン>◇27日◇東京都庁前-東京ビッグサイト(42・195キロ)

 女子にも新星が誕生した。初マラソンの樋口紀子(25=ワコール)が、日本人トップの2位に入った。35キロすぎに渋井を抜き、2時間28分49秒でゴール。女子は世界陸上選考の対象外だが、12年ロンドン五輪の候補に名乗りを上げた。樋口は「30~35キロからキツかった。でも渋井さんを抜いた時にどんどんゴールが近づいてきて、うれしくなりました」と笑みを浮かべた。

 ワコールでは、五輪を経験した福士加代子の背中を追い続けてきた。その福士がクライストチャーチ合宿中に震災に見舞われ、25日に緊急帰国。元気のない姿を見て、どうしても励ましたくなったという。永山監督は「(樋口の)おばあちゃんが2月に亡くなって、天国で見守ってくれていたのでしょう」とぽつり。コツコツと努力を重ねてきた樋口は「やるからには次の五輪を目指したい」。視線の先にロンドンがあった。