<大阪国際女子マラソン>◇29日◇大阪・長居陸上競技場発着(42・195キロ)

 ここまで3大会連続で女子マラソン五輪代表を育てた天満屋の武冨豊監督(57=日本陸連女子マラソン部長)が、名伯楽ぶりを発揮した。4年前は中村が初マラソンで名古屋に優勝し、北京切符をつかんだ。その再現とばかりに「秘蔵っ子」重友梨佐(24)を、マラソン2回目にして優勝へと導いた。「故障明けで思うように練習ができなかったが、ぎりぎり間に合った」。安堵(あんど)感のまじった笑みを浮かべた。

 地元・興譲館高出身の重友のことは、小学生時からかわいがってきた。「よく大会で声をかけ、中学時代にはもう(天満屋に)誘った。口数は少ないけど、シンの通った我慢強い性格。マラソンに向いている」と、長い歳月をかけて見守った。昨年2月には日本陸連のニュージーランド合宿に参加させ、同年4月には五輪本番を見据えロンドンで初マラソンも経験させた。

 「3人のオリンピックはすべて兵庫出身だけど、重友は地元出身。本当に岡山の天満屋と認められる」。手塩にかけ、武冨監督が新たな才能を開花させた。

 ◆天満屋女子陸上部

 岡山市を拠点とする百貨店の陸上部として92年創部。神戸製鋼コーチだった武冨豊氏をヘッドコーチに招聘(しょうへい)し、96年4月に同氏は監督就任。これまで山口衛里、坂本直子、中村友梨香の3選手を五輪に送り出した。部員は13人。