ロンドン五輪男子マラソン代表の藤原新(30=ミキハウス)が「野口みずき方式」でメダルをねらう。今日13日に開催される仙台国際ハーフマラソンの会見が12日、仙台市内で行われ、藤原が五輪直前合宿地に、スイス・サンモリッツを候補に挙げていることを明かした。

 標高約1800メートルのサンモリッツは、米コロラド州ボルダー(約1650メートル)、中国・昆明(約1900メートル)とともに、3大高地合宿地として知られる。日本では野口が03年世界選手権、04年アテネ五輪の前に約1カ月間合宿。同選手権で銀、同五輪では金メダルにつなげた。藤原も「オリンピックに向けて強い意志を示したい」と「野口方式」に意欲的だ。

 JR東日本時代は、中国・昆明で何度も高地合宿を行い「相性がいい」と手応えもある。しかし高地トレーニングは危険性もはらむ。気圧の低い場所で心肺機能を高めるのが狙いだが、「スピードという点では速い動きができなくなるのが心配」と藤原。

 7月20日前後からロンドン郊外に一軒家を借りた。五輪最終日の8月12日に行われる男子マラソン直前は、そこを拠点に最終調整をする。その直前の約1カ月間を、サンモリッツでの高地合宿に充てる予定だ。

 今日13日の仙台国際ハーフは2月の東京マラソン以来のレースとなる。約3週間の米カリフォルニアの合宿から8日に帰国。「基礎体力作りをしてきた。どういう体になったのか現状を把握したい」と、まずはロンドンに向けて、最高のステップを刻むつもりだ。【吉松忠弘】