男子マラソンで来年8月の世界選手権(モスクワ)出場を狙う公務員ランナー・川内優輝(25=埼玉県庁)が「1泊4日のエジプト弾丸ツアー」を敢行する。エジプト国際マラソン(来年1月18日)の招待選手会見が25日、川内が勤務する埼玉・春日部高校で行われ、前代未聞の仰天プランが明らかになった。大会2日後の1月20日に開催される埼玉県駅伝競走大会に出場するため、16日夜に成田を出発し、19日夕に帰国する超強行軍。日本の枠を跳び越え、今度は世界をまたにかけた「常識破り」に挑む。<川内優輝の常識破りアラカルト>

 ◆公園ランナー

 公務員ゆえ、出勤前の午前中2時間が通常練習。週末には東京・駒沢公園内を20周(約43キロ)し、強くなった。リュックを背負い、山の中を走る「トレイル・ランニング」も好み、練習内容は実業団選手と大きく異なる。

 ◆中1週でマラソン

 昨年12月4日の福岡国際で日本人トップの3位に入った後、わずか中1週で防府マラソンに挑み、2時間12分33秒の好記録で2位。日本陸連の坂口・男子マラソン部長を「2週間でこの記録は驚異的」と驚かせた。

 ◆マンガのヒーローなりきり作戦

 昨年の世界選手権の際、目標とする8位入賞へ「マラソンマン(井上正治、講談社)」など、陸上の長距離漫画6冊を厳選して持参。自らを「陸上漫画の国内有数のコレクター」と言い、漫画の主人公になりきって激走した。

 ◆プロレス流会見

 2月の東京マラソンの会見で藤原新と舌戦を繰り広げ「いやぁー、完全に藤原新さんは日本記録狙いということが分かりました。これで僕のモチベーションも上がる」などと発言。元世界記録保持者のゲブレシラシエが「けんかはよくないですよ」と苦笑し、間に入った。