<陸上:日本グランプリシリーズ第4戦・静岡国際兼世界選手権代表選考会>◇3日◇静岡スタジアム(エコパ)

 男子200メートルで橋元晃志(早大)が20秒35で、参加標準記録A(20秒52)を突破。短距離界に桐生効果が吹き荒れる。

 自分が一番、驚いた。橋元は「まさかこんな記録が…。A標準ですよね」。0秒17も上回るタイムに目を大きく見開いた。スタートから「はまったな」と好感触。コーナーを回った後、いつもは崩れるフォームも安定。最近は「自分の走りが分からない」と話す不安がうそのように疾走した。

 調子の悪さは自覚していた。だが本能を呼び覚ます明確な材料があった。「桐生君が、あんなすごい記録を出して刺激になった。負けられません」。鹿児島・川薩清修館高3年時に、高校総体200メートルで優勝。だが秋の国体100メートルでは、1学年下の桐生に負けた。高校でしのぎを削った後輩に負けられない。「こうなれば世界陸上に目標を切り替えます」。ユニバー代表からうれしい軌道修正だ。