川内って、いいやつじゃん…。くすぶっていた「川内包囲網」が解かれた。8月の陸上世界選手権モスクワ大会男女マラソン代表で女子2人を除く6人が21日、東京都内でメディカルチェックのために集合。“前哨戦”の注目は、この冬のロードシーズンで話題を独占した川内優輝(26=埼玉県庁)への視線だった。

 年始から実業団選手に対する川内の刺激的なコメントが、メディアをにぎわせた。2月の東京マラソンでは日本人1位になった前田が「実業団をばかにしないでほしい」と発言。波紋を呼んだが、代表発表後初対面となったこの日、和やかムードで川内を迎えた。

 その前田が「川内君の出場レースの多さはすごい。ぼくは感心しています。わだかまり?

 全然ないし普通に話しましたよ」と明かす。2月の別大毎日で競り合った中本は「世間を騒がせてくれたけど(笑い)注目の的になって苦労して大変だなと思う」と察した。10年ぶり代表の藤原も「同じチームジャパンでライバルというより逆に胸を借りたい」と言う。昼食時に歓談した川内は「日本代表の同志として、5人全員がいい状態でスタートラインに立って結果を出したい」。“一時休戦”での団結を、胸に刻んでいた。【渡辺佳彦】