<陸上:日本選手権兼世界選手権代表選考会>◇最終日◇9日◇東京・味の素スタジアム◇男子ハンマー投げ決勝

 室伏広治(38=ミズノ)が、自身の持つ連覇記録を「19」に伸ばした。銅メダルを獲得した昨年ロンドン五輪以来、10カ月ぶりの1投目で75メートル41。5投目は76メートル42と記録を伸ばした。「1投目に75メートルを投げられたことが良かった」と振り返った。五輪後は、巨大なこん棒などを使う「ズルハネ」といわれるイランの伝統的なトレーニングを導入。コンクリートの塊を削って手製のこん棒も作製し、振り回した。今も工夫を重ねる姿に、父重信さんは「まだまだ(記録を)伸ばせる余地がある」と期待した。

 5月にはスイスのスポーツ仲裁裁判所を訪れた。ロンドン五輪で行われたIOC選手委員選挙での当選無効を不服として提訴したが、主張は却下された。この日「その件に一切コメントはありません」と話したが、フィールドで貫禄のV19達成。前回優勝者として出場権を持つ世界選手権は「周囲と相談して決めたい」と保留したが、来年の日本選手権20連覇については「何とか目指したいと思っている」と話した。