出ちゃったら、どうしよう…。陸上男子100メートルで日本初の9秒台を狙う桐生祥秀(17=京都・洛南高3年)が、エントリーした13日の京都選手権(西京極)の同種目に、不正スタート発見装置と連結しているスターティング・ブロック(SB)が準備されないことが10日、分かった。

 同大会は国体京都府予選も兼ね、主催は京都陸上競技協会。スタート時に足止め台として使用するSBは、世界やアジアの記録公認に必要な装置だが、京都陸協は「今回はスターティング・ブロックはないです」と説明している。高額な費用がかかるために設置を見送る。日本陸連の要望で、これまで高校総体予選などでレンタルしてきたニシ・スポーツも「気にはなっていたのですが…。主催者からお話がなければ、我々はどうしようもないので」という。

 桐生は、4月29日織田記念(広島)で10秒01を記録。だが超音波式風力計を使用しておらず、ジュニア世界記録は未公認となった。13日に9秒台が出た場合、タイム自体は有効で日本新記録も認められるが、世界などでは未公認になる。洛南高側は「我々がやることは変わらない。ベストを尽くすということです」。「ジェット桐生」は、13日に100メートル3本を走る予定だ。【益田一弘】