男子100メートルで日本人初の9秒台を狙う桐生祥秀(17=京都・洛南高3年)の次戦が、国体(10月4日開幕、東京・味の素スタジアム)になることが14日、分かった。日本代表で参加中の世界選手権は、18日の400メートルリレーを終えればひと区切り。国体で9秒台に再挑戦する。

 桐生は「僕は秋ぐらいにタイムが出るんです。いつも夏は力をためて秋にタイムを狙う。9月はがっつり練習できる」と自信を見せている。昨年10月の岐阜国体で高校新記録の10秒21。さらに11月3日のエコパ・トラック・ゲームズ(静岡)で10秒19を出している。

 桐生は、4月29日に織田記念国際(広島)で日本2位の10秒01をマーク、高校総体と世界選手権に突入。今大会は10秒31で敗退した10日の男子100メートル予選まで72日間で32レースを消化。京都→東京→奈良→英国バーミンガム→大分→モスクワと走り続けてきた。

 国体は1カ月半かけて準備できる。会場の味スタは、6月の日本選手権で経験済み。高速トラックについて「走りがかみ合ったのでいいかなと思います」。モスクワでは世界に注目された。予選では各組8人中3人が呼ばれる選手コールで「センセーション」と紹介された。日本陸連の伊東短距離部長も「正直、桐生の注目は日本だけと思っていた。だが各国のコーチや報道陣からかなり質問される。10秒01のタイムと17歳という年齢でしょうね」と驚くほど。ジェット桐生が、実りの秋に東京から世界にインパクトを与える。