<熊本城マラソン>◇16日◇熊本市役所前発、熊本城二の丸着(42・195キロ)

 公務員ランナー川内優輝(26=埼玉県庁)が「大雪トラブル」を乗り越えて圧勝した。10キロ手前から独走態勢に入り、2時間10分14秒の大会新記録で、2位に12分20秒差つけて優勝した。移動日だった前日15日は、大雪のため東京・羽田から熊本空港へ向かう航空機が欠航。急きょ新幹線に乗り換えて約7時間かけての大移動となったが、その影響は全くなし。アジア大会(9月、韓国・仁川)選考会を兼ねた3月2日のびわ湖毎日マラソンへ、大きな手応えをつかんだ。

 ゴールテープを切っても、倒れ込むことはなかった。2時間10分14秒の大会新で肥後路を駆け抜け、ひと息ついた川内は満足そう。「2時間12、13分台のはずが、まさか10分台が出るとは。出来すぎです」。早口な言葉が弾んだ。

 東京からの約1300キロを陸路移動も、疲れを感じさせない。前日15日は昼すぎに熊本到着予定が、大雪で羽田発の航空機が欠航。蒲田のホテルから品川駅へ急ぎ、新幹線に。博多での乗り継ぎに手間取り、熊本到着は夕刻だった。それでも、心配した周囲の不安を好結果で一蹴した。「海外の試合をいっぱい経験して、予定外の事も何でも経験してるんで」。ペースメーカーもいない。給水用スペシャルドリンクもないが、ペースは落ちない。「大きな自信になった」と胸を張る。

 先日、表彰式で同席したフィギュアスケート羽生結弦の快挙に「あれだけプレッシャーが掛かって、結果を出すのはすごい」と、刺激を受けた。アジア大会選考レースの昨年福岡国際で日本人最高の3位に入り、既に同大会代表の有力候補。次走の3月びわ湖毎日マラソンでは、自己ベストは2時間8分14秒の更新を目指す。「次は2時間7分台と、アジア大会金メダルを目標に頑張りたい」。