陸上の世界ジュニア選手権(22日開幕・米国ユージン)に出場する男子短距離の桐生祥秀(18=東洋大)ら日本代表が17日、成田空港を出発した。男子の主将に任命された桐生は、6月8日の日本選手権男子100メートルを初制覇以降、出場予定だった2レースを、右足底部の疲労性関節炎のため欠場。スパイク着用の本格的な練習再開は10日ほど前から。「いい感じで走れて違和感もない」と話す一方、苦手とされるスタート練習は「やっていない」という。

 逆に桐生は、それをプラスに転じる。「(得意の)中盤から後半で勝負。前半をリラックスして出られるかも」と力みが消える走りを期待する。土江コーチも10秒05を出した5月の関東インカレを引き合いに「ここ1週間でスイッチが入りモードが切り替わった。動きが洗練される」と吉兆を予感した。6月に同じ18歳のトレイボン・ブロメル(米国)が、世界最年少9秒台となる9秒97の世界ジュニア新を樹立。最強ライバルの力も借り、東京五輪開幕まで6年となる日本時間24日の決勝で、夢の9秒台をたたき出す。【渡辺佳彦】