<陸上:世界ジュニア選手権>◇22日◇米オレゴン州ユージン

 日本人初の9秒台を狙う桐生祥秀(18=東洋大)が、向かい風0・5メートルの男子100メートル予選7組を10秒40で1着で通過した。23日の準決勝は6月に9秒97の世界ジュニア記録を出したトレイボン・ブロメル(18=米国)と同組になった。今年の目標に掲げた今大会での金メダル獲得のため、同じ95年生まれの最強ライバルとの初対決は負けられない。

 20年東京五輪を占う注目の初対決が実現する。桐生が準決勝1組で世界ジュニア記録を持つブロメルと走る。桐生の右隣、6レーンにブロメル。「どんな走りをするか、勝負プラスみたい部分はある。しっかり走りたい」と話していた同世代最強ライバルとの激闘を心待ちにした。

 予選は10秒40で1着で通過した。初優勝した日本選手権後は右足裏の痛みで2大会を欠場。7月から本格練習を再開してレースは1カ月半ぶり。それでも序盤から飛び出し、最後は力を抜いてゴールした。「1カ月おくと(感覚を)忘れることがあるので確かめる意味もあった」。タイムは全体の11番目。桐生が「速い」と驚いたブロメルは10秒13で全体のトップだった。

 今日24日は準決勝、決勝が行われる。準備万端ではないが、目標は今大会で日本人初となる同種目の金メダルだ。「(日本人では)100メートルの優勝はない。そこを狙いたい」。今大会の競技場は、ブロメルが9秒97を出した世界屈指の高速トラックでもある。「自分の感覚を思い出してきた。(負傷した)足は大丈夫。優勝を狙って頑張りたい」。最強ライバルの存在を燃料に変えて、桐生ジェットが噴射する。