<高校総体:陸上競技>◇5日◇岩手・北上市

 男子走り幅跳びは、競技歴わずか2年の東海大浦安(千葉)・高政知也(3年)が昨年覇者の東海大翔洋(静岡)・松原奨(3年)を破り、優勝した。陸上を始めたのが高校入学後で、中学時代はテニス部だったという経歴の持ち主。人生初めてという日本一の称号に「信じられない。ケガもあったので」と笑顔。

 ここまでの道のりは険しかった。4月の練習中に転倒して左肩鎖骨を粉砕骨折。早期復帰を目指して各地の病院を訪ね、5月の千葉県大会の2週間前にやっと手術した。リハビリ当初は「左手が動かなくてこれで3年生が終わってしまうのかな」と焦りもあったと振り返る。しかし、強行出場した同大会ではまさかの自己ベストで優勝。今大会も左肩にボルトが埋まったままで制した。「うれしいけど自己ベストは出せなかった。次は7メートル70を最低でも出したい」とケガを乗り越え次を見据えた。