各種目のフリー演技が中止となる異例の事態となった。国際スケート連盟(ISU)が、パリ中心部などで13日夜に発生した同時多発テロを受け、最終日の競技を中止すると発表した。成績の取り扱いについては今後協議する予定だが、ISU関係者によると、GPファイナル(12月・バルセロナ)出場を争うポイントについては、ショートプログラム(SP)の成績がそのまま換算される方向という。前日13日の男子SPでは17歳の宇野昌磨(中京大中京高)が自己ベストを更新する89・56点で首位に立っていた。村上大介(24)は3位。女子SPは村上佳菜子(21)が58・30点で4位、今井遥(22)は47・87点で9位としていた。

 男子SPでは宇野が勢いを見せつけていた。GPデビュー戦だった第1戦スケートアメリカで2位と表彰台に上がった新星は、全3回のジャンプを着氷。特に得点が上がる後半に4回転トーループを決め、14年ソチ五輪銀、銅メダリストのチャンとテンを従えての首位。「今季一番の課題だったSPで、やっと練習の7割ぐらいの演技ができた。安心した」と笑顔をみせていた。

 成績の取り扱いについては未定だが、ISU関係者によると、12月のGPファイナル(バルセロナ)出場を争うポイントについては、SPの成績がそのまま換算される方向という。その場合はGP初年度でのファイナル出場が決まり、日本男子では05-06年シーズンの織田信成以来2人目の快挙となる。