世界のエア・ケイが有明を変える。来年1月31日から3日間行われるテニスの国別対抗戦デ杯世界グループ1回戦に向けて、会場の東京・有明コロシアムのコートを“錦織仕様”に改修する計画があることが12日、分かった。デ杯には錦織圭(23=日清食品)らが出場予定。関係者によると「サーフェス(表面)を遅くして勝利を呼び込みたい」という狙いがあるという。

 世界ランク12位の日本と対戦するカナダの世界ランクは7位。世界11位のラオニッチ(22)は196センチ、同32位のポスピジル(23)は193センチとともに長身で、時速200キロを超える強サーブが武器だ。そのサーブ対策が、日本の世界グループ初勝利のカギとなる。

 有明コロシアムのコートは、バウンドしてからの球足が世界有数の速さ。ビッグサーバーには最適なコートだ。しかし、日本、特に錦織はレシーブを返球し、少しでも長くラリーをつなげて活路を見いだすテニス。それだけに、これまでの有明のコートは錦織らに有利とは言えなかった。

 そこで考えられたのが、コートの球足を遅くして、日本を有利に導こうという計画だ。関係者によると当初は土を敷き詰め、カナダのサーブの勢いを殺すというとっぴなアイデアまで出たという。しかし、経費や有明コロシアムが公共の施設という点から実現は困難。そのため、コートを新たに塗装することによって表面にざらつきなどを加え、球足を殺そうという計画が進行している。

 ◆デビスカップ

 1900年に創設された男子テニスの世界最強国決定戦。最上位が世界グループ16カ国で、その下に3地域のグループがある。日本は12年に27年ぶりに世界グループに復帰。13年は地域グループに転落したが、再び14年に世界グループに復帰する。対戦方式は3日間でシングルス4試合、ダブルス1試合を行い3戦先勝。出場代表選手は試合10日前に決まる。日本は1回戦でカナダに勝つと、14年4月4~6日の準々決勝で、今年優勝のチェコ対オランダの勝者と対戦する。