女子400メートル(上肢障がいT47)で、前回リオデジャネイロ・パラリンピック銅メダリストの辻沙絵(26)は59秒62にとどまり、大会新はマークしたものの目標としていた58秒台には届かなかった。

「58秒90を切って58秒80台に入りたかった。残念です」。東京パラ出場資格を争う世界ランキングは6位で、「ギリギリの順位。どの選手が(上に)出てくるか分からない」と不安の素を解消できなかった。

冬季練習では課題に挙げるスタートから100メートルのスピードを徹底強化してきた。この日のレースも前半に思い切って飛ばし、終盤に失速こそしたが、積極果敢な走りには手応えもある。

「辻になりました」。1月に離婚したことを明かし、登録名変更の理由を説明した。今月には日体大大学院を卒業し、4月からは同大助教として陸上競技の研究と指導に当たる。環境は変わっても「競技に集中することは変わらない」と表情は明るかった。