ニューカッスルFW武藤嘉紀(27)はベンチ外だった。今夏8年半ぶりにニューカッスルへ戻ってきたFWアンディ・キャロルと、期限付き移籍から復帰したFWドワイト・ゲールがベンチ入り。チームで4番手のストライカーとなってしまった武藤にとっては、厳しい時期が続く。

試合は開始直前に降り始めた雨が激しくなる中、序盤はチェルシーが良いポゼッションで優位に立った。ニューカッスルは守備的な布陣を敷いてカウンターを狙ったが、ボールを奪ってからはFWジョエリントンがうまくポスト役をこなし、左ウイングで前節負傷から復帰したMFサンマキシマンのスピードとともに攻めていった。

前半途中には雨もあがった。チェルシーはポゼッション70%以上を保ちながらも、ミスからボールを失うことも増えていった。一方のニューカッスルは得たチャンスを良い形にしていくが、チェルシーGKケパを煩わせることはなかなかできず。チェルシーがシュートに行く形を多く作ったが、こちらは枠を捉えられないことも多く、0-0で前半を折り返した。

後半、チェルシーは開始から果敢に攻め込んだ。しかしニューカッスルもGKドゥブラフカの活躍もあってピンチをしのいだ。

チェルシーは後半19分にMFマウントを下げてMFプリシッチを投入。プリシッチをトップ下にした4-2-3-1に布陣を変えてさらに攻めたが、ニューカッスルGKドゥブラフカに阻まれてなかなかゴールを割ることができなかった。

後半27分にはセカンドボールから、DFアロンソのヘディングパスを受けたFWビリアンが、ボックス内右の角度のないところから力強いシュートを放つも、再びニューカッスルGKドゥブラフカの好セーブに阻まれた。しかし直後の同28分、ドリブルでエリア右に入り込んだMFプリシッチが、中央のMFハドソンオドイへパス。オドイは左の大外にいたDFアロンソにつなぎ、これを流し込んでチェルシーがようやく先制点を決めた。

ニューカッスルもFWキャロル、FWゲールを投入し、布陣を4バックに変えて同点弾を狙ったが、得点を奪うことはできずそのまま試合終了。チェルシーは勝ち点17の暫定4位につけている。ニューカッスルはサウサンプトンと勝ち点8で並んだが、得失点差で降格圏の18位に落ちた。(井上亮通信員)