[ 2014年2月16日6時7分 ]で銀メダルを獲得し、跳び上がって喜ぶ葛西紀明(共同)<ソチ五輪:ジャンプ>◇決勝◇15日◇男子ラージヒル(LH=HS140メートル、K点125メートル)

 「レジェンド(伝説)」と呼ばれる葛西紀明(41=土屋ホーム)が、ついに個人種目で銀メダルをつかんだ。

 W杯個人総合で3位につける勢いに乗り、冬季五輪最多となる7度目の大会で「調子がいいので金メダルを狙う」と挑んだ。

 頂点には届かなかったが、大仕事をやってのけ、日本選手団主将の責任を果たした。

 W杯個人戦で積み重ねた出場試合は1989年の初挑戦以来、443試合。日本男子選手最多の通算16勝を誇り、ジャンプが盛んなドイツなどでの知名度は抜群に高い。

 五輪では個人種目の表彰台に立ったことがなかった。長野の団体制覇もメンバーではなかった。直前のけがや重圧のために力を発揮できず「悔しい思いばかりしてきた」という。「ガラスのエース」とも呼ばれた男は40歳を超え、心技体がかみ合った。