女子1万メートルで大阪生まれの松田瑞生(ダイハツ)が初の世界選手権内定を勝ち取った。最終周まで、16年リオデジャネイロ五輪代表鈴木をピタリとマーク。残り100メートルで一気に突き放し「最後は気持ち。プランは立てていなかった。一番有力な選手なのでマークしていました」。31分39秒41で初優勝を飾ると「まさかの私が優勝!」と笑い、取材エリアで母明美さん(51)に「世界陸上、決まったよ~」と今大会第1号の内定を報告した。

 会場から約3キロの大阪市住吉区に自宅があり、長居公園は幼少時代から毎日走り込んだ場所。直前の米国合宿ではペースの変化に対応する練習を重ね「この大会のためにやってきた」。リオ五輪はあえて「悔しいだけで、むなしいので」とテレビに背を向けた。強豪アフリカ勢が待つ舞台へ「力強い『ここに松田あり』という走りを見せたい」と言い切った22歳。長距離界の新たな元気印が、世界に手をかけた。