大混戦となった男子100メートル決勝は、8レーンで終盤に伸びたガトリンが12年ぶりの金メダルをつかんだ。06年に2度目のドーピング違反で4年間の資格停止処分を受けた過去がある。観客からブーイングの嵐を浴びながら「自分を支えてくれる人たちのために走った」と冷静なレース運びに胸を張った。

 ボルトとは数々の好勝負を演じてきた。15年北京大会ではライバルに100分の1秒差で2大会連続の2位。「メディアは僕らが敵対しているように書き立てるが、冗談を言い合うしパーティーにも一緒に行く。彼はいつも刺激を与えてくれた」と感謝した。

 35歳で王座に返り咲き、この種目の最年長王者となった。「息子が20年東京五輪に行きたがっているから、1年1年考えていく」。3年後の大舞台へ、意欲をにじませた。