男子400メートルリレーで日本が世界選手権初の銅メダルを獲得した。

 アンカーに急きょ、抜てきされた藤光謙司(31)が3着でゴールを駆け抜け、大役を果たした。「1~4走まで全部準備していた。あまり内容は覚えてないけど、すごく気持ち良く走れた。最高。順位は確認する余裕がなく、結果を見るまでは確信がなかった」と感慨にふけった。途中でボルトが倒れ込むのが目に入った。それでも「ゴールだけ見つめ、自分の走りに集中はしていた」と語った。

 疲労回復にいいとされる金箔(きんぱく)を体に貼るなど、独自路線を歩む男には吉兆があった。決勝前夜、着替えていると今年作ってもらった丈夫なはずの金色のネックレスが切れた。切れたら願いがかなうとされるミサンガのように「何かしら願いがかなうかもという気持ちがあった。ミーティングで走れと言われ、これかと思ったら、さらに銅メダルもあった」と充実感たっぷりに笑った。