<全国高校バスケット選抜優勝大会:広島皆実70-68常葉学園>◇女子2回戦◇24日◇広島グリーンアリーナ

 常葉学園(静岡)が広島皆実(広島)に敗れ、ベスト16進出はならなかった。最終クオーター(Q)残り2分で同点に追いつく粘りを見せたが、大黒柱の北川佳穂主将(3年)が5ファウルで退場。1、2年生を中心にオールコートディフェンスで巻き返しを狙ったがあと1歩、及ばなかった。

 残り3分、常葉学園は61-68とリードを許していたが、オールコートディフェンスで最後の力を振り絞り、スチールから速攻の反撃に出た。石川優季美(3年)、根本葉瑠乃(2年)のシュートで2点差に詰め寄る。しかし、残り2分でリバウンドを必死に取りに行った北川に、5つ目のファウルの笛が鳴った。試合終了前だが、ベンチに戻りながら号泣する北川。2年生の根本、1年生双子姉妹の稲葉さくら、さつきが幾度もチャンスを作り、同点に追いついたが「あと1本」が入らなかった。

 北川は「最後までコートに立っていたかった。泣いたらそこで試合終了だと分かっていたけど、涙が止まらなかった。悔いが残る…」。同点に追いついた後、ミドルや3Pを果敢に打った根本は「責任を持って決められなかった」と涙が止まらなかった。

 中高一貫校で来年は今夏の全国中学総体3位に輝いた妹分が入学する。北川は「競り合いのゲームで負けることはあってはならない。卒業までしっかり、後輩に高校のスピードや当たりを教えてサポートしたい」。全国で経験した「あと1本」の悔しさ。必ず、根本や稲葉姉妹を中心にした新チームの糧になるはずだ。【岩田千代巳】