<全国高校総体:バレーボール>◇女子準々決勝◇10日◇東京体育館

 女子の準々決勝で、古川学園(宮城)が共栄学園(東京)に2-0で勝利し、3年ぶりの4強入りを決めた。この日は3回戦の和歌山信愛戦から2試合連続ストレート勝ち。10年以来4年ぶりの全国制覇へ安定した戦いぶりで、今日11日の最終日に臨む。

 古川学園の選手たちの歓喜の輪が広がった。準々決勝第2セット。23-24から主将の小沢史苑(しおん=3年)が強烈なスパイクを相手コートに突き刺して試合を決めた。「本当にうれしい」と、試合直後は涙もあふれた。過去4度優勝の名門だが、現在の選手にとっては初の4強入りだ。岡崎典生監督(45)も「みんなよくやったと思う」とたたえた。

 3回戦で敗れた今年1月の春高バレーから、パワーアップして全国に帰ってきた。選手1人1人が筋力トレーニングなどで力強さを増した。点差がついてもレシーブで粘り「落ち着いてひっくり返せた」と小沢。この日はアタッカー松下紗也、伊藤きわ美(ともに3年)らのスパイクも光った。岡崎監督は「経験のある3年生中心に、粘り負けない力が付いてきた」と成長を認めた。

 予選から全5試合ストレート勝ちの快進撃。登録12選手中8人が3年生で、ほとんどが1年時から試合に出場している。セッター中條美月(3年)は「今年こそ日本一を。3年間の集大成を見せたい」と意気込む。今日11日の準決勝は、4月の私学選手権でストレート負けした金蘭会(大阪)が相手。小沢は「リベンジしたい」と闘志を燃やす。これに勝てば決勝が待っている。10年以来4年ぶりの女王へ最終日、古川学園が連勝で頂点を狙う。【成田光季】