地元苫小牧で迎える最終予選だ。「地元で五輪をかけて試合ができるなんてなかなかないです。やりがいがあります」。10年にいったん引退したが、サッカーなでしこジャパンの11年W杯優勝、澤穂希の姿を見て「夢を追い続ければかなう」と現役復帰した。13年のソチ五輪最終予選ではMVPに選ばれる活躍で本大会に導いた。リンクを離れた時期も含めて、経験は豊富だから腹が据わっている。自らの役割を「点を入れること。流れを変えるプレーをすること」と自覚し、冷静に仕事をこなした。

 独特の雰囲気で重圧のかかる初戦。スマイルジャパンも、序盤は動きが硬い「コチコチジャパン」だった。第1P後の控室でFW中村が「私たちはスマイルジャパン。笑顔で思い切ってやろう」と声を上げて空気を変え、久保の2、3点目でチームは本来のスピード、パス回しを取り戻し、リンクで躍動していった。

 ライバルのドイツがフランスに苦戦し、日本は圧勝で勝ち点3。それもエース久保の爆発は非常に頼もしい。弾みがつく勝ち方となった。【井上真】

 ◆久保英恵(くぼ・はなえ)1982年(昭57)12月10日、北海道苫小牧市生まれ。13歳で日本代表デビューを果たし、98年長野五輪では代表候補入り。10年に1度引退したが、代表復帰してソチ五輪最終予選で大活躍。日本を4大会ぶりの五輪出場に導いた。