フィギュアスケート女子の10年バンクーバー五輪銀メダリストの浅田真央(26=中京大)が10日、自身のブログで現役引退を表明した。

 浅田は数々の偉業を達成した一方、五輪では金メダルに届かず、悲哀を味わった。だが、国民的な人気で日本に空前のフィギュアブームを呼び込み、日本スケート連盟の小林芳子強化部長は11日、「功績は計り知れない」とたたえた。

 浅田の登場で日本スケート連盟はスポンサーやチケットの収入が劇的に増えた。同選手がシニアにデビューした05年度に約6400万円だった単年度黒字は、13年度に11億円超まで膨らんだ。

 一方05年の15歳当時、158センチだった身長は163センチになった。持病の腰痛に3回転半の軸足になる左脚の膝のけがが追い打ちをかけた。隆盛を誇るロシア勢は高得点の連続3回転ジャンプを複数跳ぶ構成をこなす。浅田は連続3回転の場合、2つ目に入れられるトーループが苦手で、ループも着氷で回転不足を取られやすかった。技術点が高騰し、ジャンプの出来栄えもシビアに評価される近年の流れは、円熟期を迎えた浅田の歩みに呼応しなかった。