2月の平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)で6位と健闘した坂本花織(18=シスメックス)が今季国際大会初戦で、悔しいスタートなった。49・91点と得点を伸ばせず、演技後は左手を額に当てて暗い表情。涙を流して「『何が起こったんかな』って思うぐらい、ミスが多すぎて…。やってしまった…」と振り返った。

新SPは、デービッド・ウィルソン氏が振り付けを手がけた「フロム・マイ・ファースト・モーメント」。この夏、坂本は「初めてのボーカル。外国人には曲の意味が分かる」と新たな挑戦に戸惑いながらも、完成度を高めることを目指して取り組んできた。

この日は、グラデーションがかかった紫の衣装で登場。冒頭の3回転フリップでは回転軸がぶれて転倒した。「いつもならすごく緊張して、(演技が)始まって落ち着くんですが、今回は全く緊張がなかった」。普段と比べての違和感を感じながら、続くダブルアクセル(2回転半)は着氷させたものの、演技後半の3回転ループは空中でほどけて2回転となった。

今季初戦となった8月のげんさんサマーカップでは、後半の3回転ループが回転不足となるなど、SP62・51点の4位。前回は国際スケート連盟非公認大会だったが、今季の国際大会初戦でも課題を多く残すスタートとなった。

「明日のフリーは今日の失敗を完全に忘れて、『一からやりきるしかないな』って思います」

五輪を経験した実力者は、ここからの立て直しに目を向ける。