体操の2016年リオデジャネイロオリンピック(五輪)女子代表の宮川紗江(19=高須クリニック)が昨年7月以来の復帰戦に臨む。26日開幕の全日本選手権(高崎アリーナ)の前日練習が行われた25日、ジャージーの胸元、背中には「yes!高須クリニック」の文字。「自分からお願いして、『yes』を入れてもらいました。面白いかなと…」と照れたように笑った。

昨年、日本協会の女子強化本部長だった塚原千恵子氏と副会長の塚原光男氏からパワハラを受けたと主張したが、同協会の第三者委員会は塚原夫妻の言動を一部が不適切としながらもパワハラ認定しなかった。騒動の渦中にいる中で、支援を申し出てくれたのが所属先の高須氏だった。「今回は予定が合わず、いらっしゃれないですが、連絡します」と感謝は尽きない。

万全な状態ではない。「思うようにいかない。試練を与えてもらっていると思う」と気丈に話す。13日の試技会で右足首を痛めて、構成の変更を余儀なくされている。得意の跳馬だけは「1本なら耐えられる」と覚悟して高難度に挑むが、苦戦は必死だ。

前日の会場練習などでは、久しぶりに仲間と再会した。「あまり会えていなかったので。仲間と話すとやっぱり落ち着く」と精神面での好材料はある。注目は重圧にならないか問われると、「う~ん、感じますけど、重く受け止めずにはできたらいい」と返した。